サラービア(Sarabia)地方概観
サラービア地方はアルフレイム大陸南部に存在する地方です。その名は、「蜃気楼の土地」が語源となっていると言われます。
北西部を占める不朽山脈の膨大な雪解け水と、南海からの雨により、多湿な気候となっています。そのことから、主食として最北部を除く多くの地域で、麦類よりも収穫倍率の高い稲が育てられています。
また、各地に良質な鉱石や宝石を産し、南部では養蚕や綿花の栽培が盛んです。それらを用いた工芸品も高度なものとなっています。
豊かな食糧に支えられたこの地方の人口は、他地方に比べてはるかに巨大なものとなっています。ただ、この地方全体の習俗や価値観が他地方とあまりに異なるものであることから、同じ大陸にありながら、交流がほとんどない状況です。
魔法文明時代より、この地域には数多の国家が興亡して来ました。現在に至るまで、大小200から300とも言われる国家が常に存在し、その全てが統一されたことは一度もありません。
魔動機文明時代にも、独自の隆盛を見せましたが、ある技術的転換点において、大陸主流の魔動機術とは異なる方向に進化しました。その影響もあり、サラービア地方は〈大破局〉による破滅的被害を逃れました。一説によれば、当時使われた「天候兵器」に対し、強力な耐性を持っていたとされています。ただしその結果、現代の他地方に残る魔動機術とは、互換性のない技術だけが受け継がれることとなってしまいました。事実上、未だに魔動機文明最盛の姿が残る地ではあるのですが、既に現在の技術は進化と成長の限界点に達しているものと見られています。
人口の多さもあって、数多の種族が暮らしていますが、種族そのものや、所属する国ではなく、「部族」という括りの方が、サラービア地方の社会を説明するのにより適切でしょう。
一部の地域では部族意識も薄れていることもありますが、特定の部族のみが優遇される国家体制も未だ多く残っています。また、魔動機文明時代末期のファールーク朝ハディード帝国のように、恣意的に部族を分割することで統治してきたケースも多く見られます。一方を優遇し、一方を差別することで、被支配民同士を争わせ、疲弊させることで統治を容易にして来たのです。
豊かながら、人族同士ですら相争うこの土地柄について、蛮族や魔神との関係が、かなり特異なものであったということも理由の一つには挙げられるでしょう。
「例えどれだけの軍勢があろうと優位に立つことが簡単だとは限らない」
サラービア地方には、名も知られていない忌まわしい「何ものか」、常識ではとても計り知ることの出来ない「何ものか」が数多く存在します。
それらは力に驕る者たちを、数知れず葬って来ました。まるで、この土地の真の支配者は自分であると声高に唱えるかのように。
魔法王をその兵士たちごと飲み込んだ『緑の霧』、魔神の群れを塵芥に還した『赤い海嘯』、数千を超える蛮族の軍勢をそっくり飲み込んだ『吼える大地』。
それはただの怪現象を語る御伽噺ではなく、今も尚「とある地に眠る、触れてはならぬもの」として避けられているものです。怪現象そのもの、或いはそれを人格化した存在を、現地の人々が『守り神』として崇めている場合もあります。
また、その起源すらも知られていない古い呪術が数多く残されており、それによって弱小な存在が、強大な存在を打ち破ったといった逸話も無数に残されています。
謎多く、霧に包まれたように見通せず、戦いの尽きない土地。それ故に、サラービア地方は“霧と戦い”をその名に冠されているのです。
(掲載している地図にも、不正確な部分が多く含まれ、中には「実在しない土地もあるのではないか」「測量が出来ない場所もあるらしい」「縮尺がおかしい」といった奇妙な事象がみられるといいます。)
信仰
多くの人々が第一の剣ルミエル、または第三の剣カルディアに連なる神々を信仰しています。
それらの信仰に加え、特に辺鄙な場所では、その土地々々で独自の信仰が存在します。それは、神であるともそれ以外の魔物であるとも知れず、単なる「現象」でしかないとも知れないものへの信仰です。それらは時に人格化された「災厄」として祀られ、畏怖の対象であり続けています。これらの神とも言えぬ「何ものか」は多くの覇権国家からは淫祠邪教とされ、時に弾圧の対象ともなって来ました。しかしその信仰は根強く、剣に連なる神々への信仰を捨てる者はあっても、これらの名もつけられていない「何ものか」への信仰を捨てられる者はほとんどなかったと言います。これらの「災厄」は、その土地に住まい自らを祀る存在には仇なしませんが、侵入者に対しては時に苛烈に牙を剥くことがあります。ただ、その際に住民が巻き添えを喰らうことは意に介さないようです。
剣の神々への信仰と、「災厄」への畏怖。これらは多くの場合共存し、サラービア地方人のメンタリティを形成してきました。どちらか一方のみでサラービア地方を語ることは出来ない、そんなに単純な問題ではない――という見方が、現在の主流となっています。
呪術
●〚人肉食〛
サラービア地方では、呪術的な意味合いで人肉食が行われることがしばしばあると言います。
「勇士の肉を食えばその力に与れる」といった意味で行われる人肉食が最も件数として多いとされますが、その実態は当然ながら不明です。サラービア地方でその行方を断った冒険者や放浪者(ヴァグランツ)は、多くがこの呪術の犠牲になったのだろうと言われています。
その効果のほどは呪術師の腕によるとも言い不明ですが、正式な儀式を経た『肉』は確かにそれを食した者に力を与えるようです。
●〚巫蠱〛
植物から作られた人形や、生きた牛や羊、時に人の生贄を使った儀式によって、特定の人物に呪詛をかけることがあります。
これらの呪術は非常に大掛かりで、複雑な手順を要するものから、専門家でもない個人が簡単に行えるものもあります。
もちろんその効果は、儀式が複雑であればあるほど高く、解呪や抵抗が難しいものとなります。
唯一の確実な対抗策は、呪詛に使われた呪物を見つけ出し、それに見合った形で処分することだけです。
●〚血〛
血を注入することで、若返りを果たしたり、美しさを手に入れたり、力を手に入れたりといった呪術は、サラービア地方の全土において行われています。
血の提供者としては、若者や容貌の美しく健康な者が好まれます。大抵の場合、生命維持に問題のない量の提供に留まりますが、場合によっては「全身の全ての血を抜く」という抽出方法もあります。まだ一度も血を提供したことのない、健康で美しい若者から生きながらにして、その命が絶えるまで血を抜き続けることで得られた血は、非常な高額で取引がされます。
また、戦いを生業とする者は、自身の血をいざという時のために保管しておき、命の危機が迫った時にそれを使って起死回生を図る術を持つ者もいます。
以上に述べた以外にも、様々な呪術がサラービア地方には存在します。大きな都市では、闇市でこれらの物品が取引されており、呪術を生業とする者であっても、その種類を全て把握しているとは限りません。
これらの特性として、使い手の知識や技術が不完全なものであっても、場合によっては強力な効果を発揮することがあることが挙げられます。他地方からの来訪者は、これらの呪術を野蛮かつ邪悪で危険なものと見做していますが、サラービア人にとっては、世にありふれたものという認識です。それらのギャップが多くのすれ違いと不幸を生んで来たのが、この土地の歴史の一面とも言えるでしょう。生贄や標的にされるなど呪術の犠牲者となった他地方人に対して、サラービア人の視線は「現地民に対する行いが不適切だった」「用心が足りなかった」という、極めて淡泊なものです。とはいえ、それらの呪術から逃れるために必死で助けを求められれば、恐れから逃げ出す者もいますが、義侠心から助けようとする者もいるのも事実です。
また、呪術といっても恐ろしいものばかりではありません。中には、『惚れ薬』や『幸運のおまじない』など、大きな害のない、子どもでもお小遣いをためて買えるような非常に安価な品も取引されています。
食文化
サラービア地方のほとんどの地域が、品種の違いこそあれ、米を主食としています(食べ方の作法や道具、調理法は様々です)。
蛋白源としては、広く鶏の肉が好まれます。それ以外には主に、東部では魚が、中部では豚が、西部から北部にかけては羊や山羊が多く食べられています。牛肉や馬肉は、耕運や荷運びに使役されたものが潰されて食肉となることが多く、あまり味の良いものではないとされ、好まれません。食肉用とするには、肉が取れるまでに必要な飼料が多すぎるせいもあります。余談ながら、部族や地域によっては食のタブーが存在します。たとえば、ヤークート部族は鶏、山羊、羊以外の肉は決して食べません(相手から振る舞われた時はその限りではありません)。
味付けには塩を肉や魚、或いは豆や麦などの素材に加え、発酵させて作られた「醤」が多く用いられます。製法には地域差が大きく、その味わいや香り、用途は様々で、人によって好みも大きく分かれます。全体的に温暖な気候もあって、スパイスやハーブの種類も豊富であり、各家庭でそれらの調合が代々受け継がれています。また、四季のはっきりした気候から、各季節には新鮮な野菜をふんだんに用いた料理が作られます。
ただし、サラービア地方のどの地域でも、都市部に行くほど、家庭内で調理をすることは一般的ではなくなっていきます。家庭内で調理を行うよりもずっと手早く安価な、屋台や食堂の料理が充実しているからです。
風習
●〚殉死〛
主君の死を追って臣下や配偶者などが死ぬことを「殉死」と言い、サラービア地方では一部の地域にこの風習が残ります。自主的に自害する場合もあれば、強要される場合もあります。
後継者の統治に邪魔になる者を排除するために行われることもあります。とある王朝においては、王が死んだ時、妃が二十人、太子以外の王族が三十余人、奴隷が百人、大臣が五人、将軍が三人殉死させられたと言います。
これらの死は称賛されることが多いものの、強いられた場合には、当事者の多くにとっては堪ったものではありません。それまでの身分を捨て、名を捨て、財産を捨てても逃げ出したという話も少なからず残っています。
●〚落人狩り〛
戦いに負けた兵士や将軍、王が敗走する時、最も気を付けねばならないのは敵の追っ手ではなく、落人狩りです。武具を始めとする高価な所持品を売れば金になるだけでなく、然るべき相手にその『首級』を届ければ、更に褒賞を得ることも出来ます。
落人狩りをするのは地元の農民であることもあれば、それを専門とする盗賊であることもあります。落人狩りで資金を得た農村出身者が、それを元手に商売を始めたり、冒険者などを目指したりといったことは然程珍しいものでもありません。
また、落人でなくとも、特に縁もゆかりもない冒険者や放浪者であれば標的になることがあります。冒険者にとって、落人狩りに遭わないためには、事前にその土地を良く知り、有力者を通じて根回しをしておくことが必要となります。大抵の場合は、ギルド支部がそれを行っていますが、場合によってはギルド支部の力が及ばず、冒険者が自力でそれを行わねばならないケースもあります。
●〚人身売買と奴隷制〛
サラービア地方のほとんどの地域では、人身売買が合法なものとなっています。
征服した土地の民は勿論、継承権を争う相手(自身以外の兄弟や一族)や、敵対する一族の生き残りを奴隷とするのは「正しいこと」ではないにしても、「当然のこと」とされてきました。勿論、そのようなことをしない寛容な者も存在しましたが、助けられた側が必ずしもその寛容さに報いたとは限りませんでした。また、奴隷とされた場合においても、万が一にも復讐者として現れぬよう、男子の場合は去勢し、女子の場合は足の腱を傷つけるなどしてから、売り払うなどの例が古来より多く見られます。
他地方からの冒険者や放浪者を含めた旅人も、不幸にして同様の境遇に陥る場合があります。彼らの中には、奴隷の身から立身出世を果たし、元の身分を取り戻して故郷に帰ることが叶った者もいました。しかしその多くは無名のまま、サラービアの土へと還ったのです。
言語・文化
●〚言語と文化について〛
サラービア地方語は、ヤークート部族の言語を元にして発展した「標準語」と、その下位に属する大小幾つもの方言から成り立ちます。これらの言語は、交易共通語よりも彼らの生活に則した概念を表現しやすく、他の言語に完全には訳せない単語が多く見受けられます。
平易な発音と、豊富な語彙は音楽的だと評されることもありますが、「騒がしく煩い」ものとされることもあります。
文化面では、サラービア地方語の文学作品が数多く存在し、口承文芸も豊富です。ただし、それらの作品が翻訳され、他地方で評価を受ける機会に乏しい現実もあります。元より文学的素養とは無縁とも考えられる戦士ですら、しばしば「詩を詠んでから死ぬ」という習慣があることは、他地方の人々にとっては滑稽に映ることもあるようです。
その他の音楽や彫刻、絵画を始めとする芸術も盛んで、庶民向けに安価な紙とインクで刷られた絵や絵つきの物語などの冊子も良く売られています。
また、それに伴って哲学や兵法・法学を始めとする学問も独自の発展を遂げています。サラービアの社会において、学問を修めた者の地位は比較的高いものです。その反面、魔法使いや戦士など一見華やかな存在であっても、それらを修めていない場合は一労働者としてしか扱われないことが大半です。
男性も女性も着飾ることを良く好む傾向にあります。その着飾りようは他地方の出身者からは奇異なものに映ることすらあるようです。時に彼らからしてみれば男性が「女装している」と見られるほど着飾っているケースも見られます。
サラービアの伝統的な価値観では、そのように着飾ることは良いことではないとしつつも、異性装にも見まがうような装いに対して、特に奇異の目を向けることはないという二面性もあります。
●〚ヤークート部族について〛
サラービア地方の部族の一つです。
交易と遊牧を生業としており、数としては決して多くはありませんが、古くよりサラービア全体にその存在が知られていました。現在「サラービア地方語」とされるものは、ヤークート部族の話し言葉が大本になっています。ヤークートの話し言葉は、ドラゴン語が人間やエルフにも発音しやすいように崩された発声が特徴的ですが、この発声はサラービア地方語からは失われています。また、彼らは独自の文字を持たなかったため、サラービア地方語の読文は彼ら以外の定住民により完成されました。
基幹種族はリルドラケンであり、ヤークート部のトーテムは紅玉の目を持つ火竜です。ただ、部族には、交易によって手に入れた人間やエルフなどの元奴隷も含まれており、現在ではそちらの方が圧倒的多数となっています。信仰を同じくし、有能であると認められるか、自身の身を主から買い戻すことが出来れば、部族の一員として承認され、奴隷の身分から解放されてきたためです。
部族の自由民の成人として認められた者は、親(または主)からその財産の一部を分けられ、独立します。そうしてサラービアの各地に散った者たちが、各地の文物や技術・特産品の流通に貢献してきたのです。
しばしば他地方からは「好戦的」とされるサラービア人の中では比較的穏健だとされています。
政治・歴史
●〚覇者〛
サラービア地方を統一するような国家はいまだかつて存在しませんでした。それに最も近かったのが魔動機文明時代末期のファールーク朝ハディード帝国だったとされますが、それでも地方の三分の一を影響範囲とするに留まっています。
しかしながら、統一国家とはならずとも、近隣の複数の国家の盟主となるような存在はあり、彼らは「覇者」と呼ばれてきました。中には、蛮族でありながら盟主となった場合もあります。いずれの覇者も、覇者であれた期間こそ長くはないものの、その連盟が機能している間は、平穏が保たれたといいます。
現在はどの国が「覇者」なのかには議論の余地があります。
●〚冒険者ギルド〛
サラービア地方は大陸でも文化・文明的に他の地域から隔絶されており、冒険者ギルドの公的な力が非常に弱い地域です。群雄がそれぞれ常設の軍事力を持つこの地域においては、冒険者ギルドに対する為政者からの保護もほとんどありません。寧ろ独自の勢力を持つことから危険視され、しばしば弾圧の対象ともなって来ました。
その上、サラービア地方は“奈落”からの距離もあり、その影響を他地方ほど受けていません。時に冒険者ギルド総本部から寄越される支援の要求は、サラービア地方の各支部にとって不満の原因でもありました。自身が抱える問題とはほとんど関係のないことに協力せねばならないのに、地元での問題に関しては総本部は大した力を発揮してはくれないためです。
大陸の他の支部からの援助を得られない中、サラービア地方における冒険者ギルドは独自の進化を遂げていくことになります。その結果として、アルフレイム大陸の冒険者ギルド本体とはしばしば相容れない立場を取り、時には敵対すらすることもあるようになってしまいました(本来ご法度であるはずの冒険者同士の敵対も、サラービアの冒険者と他地方の冒険者との間であれば、この地方内では不問のものとされてしまうほどです。また、他の地方と交流がある程度回復した現在ですら、「他地方のひとかどの冒険者や放浪者を倒せてやっと一人前」といった思考が根強く残っています)。
サラービア地方の冒険者ギルドは半ば独立した存在として戦闘技術を磨き、各支部の支部長がそれぞれ、これと認めたギルド員に継承させて、この永い乱世における生き残りを図って来ました。
冒険者ギルドのみならず、ライダーギルドなどに関しても類似した経緯から、大陸全体のものからは半ば独立状態にあり、他地方とは異なる運営方式を取っています。
●〚ギルド支部長〛
ギルド支部長は多くの場合、サラービア地方で冒険者として名を上げた者がなります。単に武勇で知られていることや冒険者ランクが高いだけでは不適格とされ、その人格や度量が最も重視されます。
「自分を頼ってきた者を、決して見捨てないこと」「言葉を決して違えず、約束を決して破らないこと」「その為には命を擲つことも厭わないこと」「自らの力に奢らず、自らの行いを誇らないこと」
これらを全て備えるのは並大抵のことではなく、また、その姿勢を貫いた結果、道半ばにして壮絶な死を迎える者は少なくありません。それでも尚生き残ってきた者だけが、この地位に就くことが出来るのです。
一般の冒険者にもこれらの素質が要求される訳ではありませんが、流石にそれらの逆のことをすれば、顰蹙は買います。如何に実力があり冒険者ランクが高かろうと、時に恐怖の対象とこそなれ、サラービア地方においては、真に英雄と認められることはありません。
●〚敵としてこれほど恐ろしく、友としてこれほど頼もしい者はいまい〛
サラービア地方人のことを、「懐に入り込むのは難しいが、ひとたび友となるとこれほど心強い者もいない」、と記したのは魔動機文明時代にこの土地を訪れたとある著述家です。
彼が遺した著作には、この余りにも他の地方とは異なる特性を持った土地が、生き生きと記されています。そこに描かれたのは、恐ろしく奇異な風習を持つ野蛮な人々ではありません。喜怒哀楽を有し、時に人懐っこく知的好奇心が旺盛で、時に勇敢で猛々しく、――その内実、他のどの土地の人々とも、根本的には違いのない存在でした。
特異なメンタリティや習俗ばかりが取り上げられがちですが、結局は同じ「人」。友とすれば頼もしく、敵とすれば恐ろしい。それはきっと、どんな土地についても言えることなのでしょう。